カナヘビを飼育するときは餌問題がつきものです。カナヘビを捕まえたけど何を食べるかわからない方やお子さんが突然カナヘビを捕まえてきた方もいるでしょう。
今回は、カナヘビが餌として食べるもの・食べないものや餌を与える方法を解説します。赤ちゃんカナヘビの餌についても解説するので、ぜひ参考にしてください!
こんな方におすすめ
- カナヘビは何を食べるか知りたい
- 活きた虫以外の餌はないかな?
- カナヘビにおすすめの餌が知りたい
- 家にあるもので代用できないかな?
カナヘビについて
カナヘビはとても身近な小型の爬虫類です。生き物が好きな方なら、見つけて捕まえたという経験があるでしょう。
そんなカナヘビですが、犬猫や熱帯魚などと違ってカナヘビ専用の餌というものは売っていません。
なので、捕まえたはいいけど餌をどうしたらいいかわからない方もいますよね。特に、お子さんが捕まえてきて困っている方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、カナヘビの餌について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
カナヘビが食べる餌・食べない餌
ここでは、カナヘビが食べるものと食べないものをご紹介します。気になるものをチェックしてみてください。
カナヘビが食べる餌
カナヘビが食べる餌を一言で表すと、「小さくて柔らかい虫」といえます。例は以下の通りです。
- コオロギ
- バッタ
- ゴキブリ
- クモ
- カマキリの幼虫
- 芋虫
ただし、いずれの虫も小型の種類・成長段階の個体を餌としており、大きな虫や成長しすぎた虫は食べません。
特に、コオロギやカマキリなどの肉食昆虫は、カナヘビとのサイズ関係によっては捕食・被捕食の関係性が逆転してしまう場合もあるので小さいものにしましょう。
目安として、1.5cm以内の虫が食べやすくていいですよ。
ポイント
カナヘビは小さくて柔らかい虫を餌にする
カナヘビが食べないもの
- 植物
- 甲虫
- ダンゴムシ
- アリ
カナヘビは上記のものを食べません。
植物以外に関しては食べることもありますが、カナヘビは柔らかいものを餌にする傾向があります。
甲虫は、カブトムシなどのような硬い体や羽を持った昆虫の仲間のことで、カナヘビは好みません。
ダンゴムシやアリは手軽に手に入るだけに残念ですが、カナヘビの餌にはできないものと思ってください。
ポイント
カナヘビは硬い虫や大きな虫を食べない
結局、カナヘビにおすすめの餌昆虫は?
ずばり、カナヘビにおすすめの餌昆虫は、イエコ・レッドローチ・デュビアです。これらはどれも栄養価が高く、ほとんどのカナヘビが好んで食べてくれます。
カナヘビにあげる餌で悩んだら、この3つのどれかを用意すれば間違いないです。
ただし、1㎝前後のサイズのものを選ぶことをおすすめします。イエコとレッドローチはまだしも、デュビアの大きいサイズは物理的に食べられません。
虫の種類やショップによってサイズ表記は異なりますが、Sサイズで売っているものがちょうどいいと思います。
ポイント
カナヘビの活餌にはイエコ・レッドローチ・デュビアがおすすめ!
餌昆虫の飼育方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
-
【随時更新】イエコの最強の飼育方法を解説!元気に栄養たっぷりに!
続きを見る
-
【完全版】デュビアの飼育方法を徹底解説!特徴や餌なども!
続きを見る
以下の動画は、カナヘビにデュビアを与えた時の様子を撮影したものです。ぜひ食いつきを見てみてください。
生きた虫以外でカナヘビの餌になるものは?
実は、生きた虫以外にもカナヘビの餌になりえるものはあります。それは以下のものです。
- 人工餌
- 冷凍・乾燥昆虫
人工餌
人工餌というのは、爬虫類の餌用に開発された餌のことです。犬でいうドッグフードのようなものですね。
カナヘビ用を謳ったものはありませんが、昆虫食爬虫類用の人工飼料があります。
ただ、筆者が飼育しているカナヘビやトカゲで人工飼料を食べた個体は半分以下でした。食べない個体が少なくないことは頭の片隅に置いておきましょう。
ポイント
人工餌は食べないことも視野に入れておくべき
以下の動画は、カナヘビに人工飼料を与えた時の動画です。活き餌との違いを参考にしてみてください。
冷凍・乾燥昆虫
爬虫類や両生類または魚類の餌として、昆虫を冷凍させたものや乾燥されたものも流通しています。
個体によりますが、カナヘビは死んだ虫でも食べることが多いです。また、ピンセット給餌に慣れた個体は、死んだ虫でも差し出せば食べたりします。
最も一般的なのは冷凍コオロギで、解凍してから与えます。乾燥コオロギは硬いため好まない個体が多いようですので、冷凍を選ぶのが無難です。
ポイント
活き餌が難しいなら冷凍昆虫を解凍して与えるのもアリ
カナヘビに餌をあげる方法
ここでは、カナヘビの餌やりについて頻度やあげ方などを詳しく解説していきます。
カナヘビの餌の頻度
カナヘビの餌は、2~3日に1度、食べる分だけ食べさせてあげれば十分です。
カナヘビはわりと食欲旺盛な生き物なので、毎日あげれば毎日食べると思いますが、消化に負担がかかったり太ってしまったりする可能性も考えられます。
筆者の経験上、野生下のカナヘビはほっそりと痩せている個体が多いので、与えすぎも良くないと考えています。
ポイント
カナヘビの餌は週2~3回
カナヘビに餌をあげる方法
カナヘビに餌をあげる方法としては2種類の方法があります。
ケージ内に放つ・置く
生きた餌なら、ケージ内に放っておけば好きなだけ食べます。最も自然な与え方です。
捕まえてきてすぐならピンセットなどからは食べないので、生き餌を放って自然に食べるのを待ちましょう。
また、生き餌でなくても、死んで間もない餌や人工餌などを置いておけばたべる個体もいます。
ピンセットで餌を直接渡してあげる
飼育環境に慣れてきた個体や警戒心が薄れている状態のカナヘビはピンセットから餌を食べることが多いです。
それぞれのカナヘビが好きな餌を渡してあげましょう。
その場合、ピンセットは先の鋭いものは避けてください。カナヘビが口や顔などをけがしてしまう恐れがあります。
カナヘビはかなり勢いよく噛みつく子が多いので、先の丸いものにして安全を確保してください。
ポイント
ピンセットは先の丸いものを。
ピンセット給餌に慣れさせる方法
しかし、放った餌は食べてもなかなかピンセットから餌を食べない子もいます。
そういった場合、筆者は次のようにしています。
- カナヘビが食べる虫のおなかを切る
- ピンセットで切った虫を掴んで、そっとカナヘビの鼻先につける
- するとカナヘビがなめ始めるので、餌を離さずにギリギリのところで鼻先に触れさせ続ける
- カナヘビは大胆になめはじめ、うまくいけば噛みつく
これは、鼻先に水分がついたらなめるというカナヘビの習性を利用しています。
この方法をとることで、だんだんピンセットから餌を食べるようになってくるはずです。
ただし、飼育環境下で一度でも食べた虫である必要があります。嫌いな餌であったり、そもそも飼育環境にストレスを感じて餌を食べない可能性もあるからです。
それでもピンセットで餌を持っていったときに逃げてしまう場合や顔を背ける場合はストレス状態なのでとりあえずあきらめて時間を置いてあげましょう。
無理やり押し付けたり、目の前で一生懸命動かしたりするよりも効果的ですよ。
カナヘビがどうしても餌を食べない場合の対処法
捕まえてきたカナヘビが、放った餌すら食べない場合は以下のことを試しましょう。
- 餌を変えてみる
- 飼育環境を捕まえた環境に近づける
- 身を隠す場所を用意する
餌はある程度の種類は用意しておきましょう。もし食べない場合、嫌いな餌である可能性もあります。
また、好き嫌いではない場合は、カナヘビがストレスを感じたり警戒状態にあることも考えられます。
カナヘビは警戒状態では餌を食べません。なので、できるだけ刺激しないようにしたり、上記の2つのことを試してみてください。
それでも食べない場合は、元の場所に帰してあげましょう。
もし1週間食べない場合は逃がす判断をしてください。餓死させてはいけないので、必ず元いた場所に帰してあげてください。
赤ちゃんカナヘビの餌やりの頻度について
卵から孵化させたカナヘビや、捕まえた時に赤ちゃんのカナヘビは、成長するためによく餌を食べます。
赤ちゃんカナヘビの場合は毎日あげてもいいと思います。
ちなみに、カナヘビは生まれた次の年には立派なカナヘビになっているので、捕まえた時点で小さくて模様が薄ければその年に生まれた子だと考えていいです。
ポイント
赤ちゃんカナヘビにはたっぷり餌をあげよう!
赤ちゃんカナヘビにあげる餌
赤ちゃんカナヘビは当然大人より小さいものを食べます。ハンティングの練習のためにも、0.5cm程度の生きた虫をあげるのがいいでしょう。
ただ、そんな小さな虫をコンスタントに捕まえるのは難しいので、小さい生き餌を購入することをおすすめします。
カナヘビの赤ちゃんなら、イエコやレッドローチなどの柔らかくて小さな昆虫がおすすめです。S~SSサイズを目安に探すことをおすすめします。
また、小さいときの方が人工餌に慣れやすいので、人工餌も試したい方は餌昆虫と並行してあげてみてください。
ポイント
赤ちゃんカナヘビの餌はイエコやレッドローチのS~SSがおすすめ
ホームセンターに行けばカナヘビの餌が手に入る!
どのホームセンターでも、ペット用品コーナーが設けられています。
犬や猫、爬虫類や熱帯魚などのペットが販売されていないホームセンターでも用品の販売はあるはずです。
小鳥用の餌コーナーにはミルワームがありますし、爬虫類用の人工飼料が置かれている場合もあります。
爬虫類ショップが入っている場合はそこで爬虫類用の人工飼料は売っている可能性が高いですし、コオロギ類やゴキブリ類の活き餌も売っていることが多いです。
ポイント
餌を切らしたらホームセンターに行ってみよう
カナヘビの餌も栄養バランスを考えよう!
カナヘビの食事にも、しっかり栄養価や栄養バランスについて気をかけてあげましょう。
カナヘビが食べてくれる餌を見つけても、それだけをあげていては栄養的に偏りができてしまいます。
余裕があれば別の昆虫も主食に加えていくと栄養価に偏りができにくいのでおすすめです。
特に、カルシウム不足に気を付けてください。
餌昆虫として流通するイエコ・デュビア・レッドローチなどはカルシウムが少ないため、そればかり与えているとカルシウム不足に陥る可能性が高いです。
ミルワームは特にカルシウムが少なく脂肪分が多いため、おやつならいいですが主食にするのは危険です。
そのため、市販のカルシウムパウダーを餌昆虫にしっかりまぶしてから食べさせてあげるようにしてください。
また、上のようなビタミン剤も販売されていますので、ぜひそちらも栄養して与えてあげましょう!
ポイント
活き餌にはカルシウムを忘れずに!
よくある質問
Q.カナヘビがバナナを食べるって本当ですか?
A.カナヘビはバナナを食べません。
舐めることはあるかもしれませんが、カナヘビは肉食爬虫類であるため、バナナは食事としません。
なので、残念ですがバナナをカナヘビの餌にしようと思っていた方はあきらめてください。
Q.カナヘビが餌を食べません。
A.餌を食べないおもな理由は3つほど考えられます。
- 捕まえたばかり
- 脱皮直前
- 著しく体調を崩している
これらが考えられます。
1や2のケースでは、本記事で紹介した「どうしても餌を食べない時の対処法」を参考にしてください。
1と2のケースなら時間が解決することも多いですが、ぐったりした3のようなケースでは手遅れのことが多いです。爬虫類を診てくれる病院を探すしかありません。
Q.家にあるものでカナヘビの餌に代用できるものはありますか?
A.家にあるものでカナヘビの餌にできるものは「ない」と言っていいでしょう。
よく鰹節やバナナなどがカナヘビの餌にならないか気になっている方が多いですが、カナヘビの餌にはなりません。同じく昆虫ゼリーも食べません。
万が一食べたとしても、主食にはできませんし、本来食べることがないので消化に悪影響を及ぼす可能性もあります。
「家にあるもの」とはいえませんが、手軽に調達したいなら一歩外に出て小さな虫を捕まえましょう!
まとめ
今回は、カナヘビと餌について詳しくご紹介してきました。カナヘビは個体による好き嫌いの差もあるので、色々な餌を試せるよう準備をしておきましょう。