カナヘビ飼育と切っても切れない関係にあるのが日光浴。しかし、日光浴のつもりが元気がなくなった、または死んだというケースも多々。
今回はそんな、カナヘビの日光浴についてやり方や、具合が悪くなってしまったときの対処方法などを詳しく解説していきます。
こんな方におすすめ
- カナヘビの日光浴のさせ方を知りたい!
- カナヘビが日光浴で元気をなくした・・・
- 日光浴をさせたらカナヘビが死んだ・・・
カナヘビと日光浴
ご存じかと思いますが、カナヘビと日光浴は切っても切れない関係にあります。カナヘビは日光浴をしなければ生きていくことができません。
その理由は主に3つあります。
- 体温を上げる
- ビタミンⅮの生成
- 脱皮の促進
詳しく見ていきましょう。
体温を上げる
カナヘビは爬虫類であるため、我々哺乳類とは違って、自分で体温を維持することができない変温動物です。
そのため、狩りを行ったり活動するためには日光で体温をあげる必要があります。
ビタミンDの生成
カナヘビは日光浴をして紫外線を浴びることによって、ビタミンDを生成しているといわれています。
ビタミンⅮは、カルシウムの吸収や骨の形成に必要となるため、不足すると骨が弱くなったり、曲がってしまう「くる病」という病気にかかる可能性が高くなります。
くる病にかかってしまったカナヘビは残念ながら死んでしまう可能性が高いです。
爬虫類用品として紫外線ライトやビタミン剤が販売されているのは、カナヘビのように日光浴でビタミンDを生成する爬虫類のためです。
脱皮の促進
カナヘビは脱皮をすることによって大きくなっていきますが、日光浴はその脱皮を促進するといわれています。
なので、カナヘビは大きくなるためにも日光浴が欠かせないということです。
カナヘビが生きていくのに日光浴は不可欠!
以上のことから、カナヘビにとって日常的な日光浴は必要不可欠なものであることがお判りいただけたかと思います。
それではここから、日光浴の具体的なことについて説明していきますね。
カナヘビが日光浴で死んだ?なぜ?
カナヘビにとって、日光浴がいかに重要なものであるか述べてきました。しかし、「カナヘビが日光浴で死んだ」というケースがあります。
日光浴によってカナヘビは元気に生きていけるはずなのに、死んだのはなぜでしょうか。
それは「熱中症」の可能性が高いです。
カナヘビは体温を調節することのできない変温動物であることを述べました。しかし、体温を調節できないということは、体温を下げることもできないのです。
野生下では、日光浴で体温を十分に上げたカナヘビは、涼しいところへ自由に移動することができます。カナヘビの生息地が、日光の当たる場所と隠れられる涼しい藪が同時に存在する場所であることが多いのはそれも一つの理由でしょう。
では日光浴中に死んだケースではどうでしょうか。カナヘビが十分体温を上げたら暑さから逃れられるような環境だったでしょうか?
ケースはどうしても上しか空いていないので、自然と空気の流れは悪くなります。なので気温よりもケース内の温度は高くなっていると思ってください。
カナヘビが日光浴で死んだ原因は熱中症!
カナヘビの日光浴のさせ方
日光浴でカナヘビを死なせないために、以下のことに気を付けて日光浴を行います。
チェックリスト
- 直射日光でないと意味がないので外で行う。
- ケースは日光浴専用を用意してでも、広いものを。
- ケース内には、気温から逃れられる涼しい日陰を用意する。
- こまめに様子を見る。
カナヘビが移動しやすいよう、ケースは広いものにしましょう。
また、紫外線はガラスを通すと大幅に減るので、日光浴では太陽の光を直接浴びなくてはいけません。なので、広いケースで直接日光を浴びられるようにします。
また、ケース内には必ず水と隠れ家を用意しましょう。
隠れ家は小さすぎると温度からは逃れられないのでしっかり隠れられる日陰である必要があります。
以上のことに気を付ければ問題はありません。
しかし私は太陽による日光浴をおすすめしません。後ほどそれについて解説していきます。
カナヘビの日光浴の時間はどれくらい?
実際のところ、カナヘビの日光浴の時間について研究データはありませんので正確なことはわかりません。
ですが、短すぎると意味がないので30分は行った方がいいでしょう。また、狭いケース内の温度上昇を考慮し、1時間以内に終了すると安全かと思います。
時間帯は、熱中症を避けるためにも、気温がピークに達する前の午前がおすすめです。
カナヘビの日光浴の頻度はどれくらい?
カナヘビの日光浴の頻度についても、正確なことはわかっていません。
ただ、野生のカナヘビは毎日日光に当たっているわけですから毎日日光浴させてあげるに越したことはないでしょう。
少なくとも週に5日は行った方がよいと考えています。
熱中症でカナヘビがぐったりしてしまった時の対処
日光浴で、熱中症が疑われるが幸いにもまだ命はある場合、病院があってもつれていく暇はありません。すぐに常温の水を浴びさせて体温を下げさせましょう。冷たい水では冷えすぎますので常温です。
また、呼吸ができなくなるといけないので鼻の付近には水をかけないようにしましょう。
実は筆者も、不注意からカナヘビを熱中症にさせかけたことがあります。その時、カナヘビは目もひっくり返りそうなほどにひん剥いて、体はぐったりして動きません。
必死でカナヘビに水をかけて体温を下げさせました。
最初は動けなかったカナヘビでしたが、次第に前足のみ動くようになり、数時間後にはなんとか元通り動けるようになりました。
気づくのがわずかにでも遅れ、とっさに水をかけていなければ、体のたんぱく質が変性して二度と動かなくなったり、内臓に修復不可能な損傷が生じていたと思います。
あなたのカナヘビには絶対にそんな思いをさせてほしくはありませんが、万が一、熱中症にさせてしまった場合は、すぐに水で体温を下げてあげてください。
そのためにもこまめなチェックは欠かせません。
日光浴のメリット・デメリット
カナヘビを安全に日光浴させる方法や万が一の対処は説明してきましたが、先にも述べた通り、私はおすすめしません。理由はデメリットが多いからです。
日光浴のメリット
- 自然の光で体温上昇と紫外線浴びができる
日光浴のデメリット
- 熱中症のリスクがある
- 時間と手間がかかる
- 毎回移動によるストレスがかかる
以上のように、日光浴をさせることはメリットもありますが、デメリットも多いです。
そういった理由から、私は「紫外線ライトを設置すること」をおすすめします。
カナヘビと日光浴の最適解:紫外線ライト+カルシウムパウダー
この記事で言いたいことは、「紫外線ライトを設置しましょう」ということです。これがカナヘビを飼育するうえで最適な日光浴との向き合い方だと考えています。
紫外線ライトは、その名の通り紫外線を放つライトで、爬虫類飼育用品として手軽に手に入れられます。
これを使用することで、太陽の光で日光浴を行わずとも健康にカナヘビを飼育することが可能です。
また、カナヘビにあげる餌には下のようなカルシウムパウダーをまぶしてから与えるようにしてください。
生き餌のみでは摂れるカルシウムは少ないので、食事からカルシウム摂取をサポートしていきましょう。
これまでご紹介してきたように、太陽の光で直接日光浴を行うことはリスクと手間がかかります。
それに私は日光浴なしの紫外線ライト(+カルシウムパウダー)のみでカナヘビを飼育していますが、病気など全く問題なく元気に生きてくれています。
カナヘビを飼育する際は、日光浴にリスクや手間をかけるよりも、紫外線ライトを設置しましょう。大切な命には代えられませんよ。
まとめ
今回は、カナヘビの日光浴について解説を行ってきました。カナヘビにとって日光浴は必要不可欠ですが、日光浴をさせることにはリスクも伴うので注意が必要です。
なので、ぜひ紫外線ライトを設置しましょう。カナヘビを健康で元気に飼育するには紫外線ライトは必須といっても過言ではありません。